洋楽は聴かないって人でも名前くらいはきっと知ってるでしょう、世界的なロックバンド、オアシスの記念すべきファーストアルバム。これはもう1曲目からヤバイです。初っ端から名盤の予感がひしひしっていうか結論から言っちゃえば名盤です。ロックンロールです。『WONDERWALL』や『DON'T
LOOK BACK IN ANGER』しか知らなくてオアシス=演歌みたいなイメージを持ってる人がもしいたら、騙されたと思って聴いてみてください。ロックンロールです。何度もいうけどロックンロールです。ロックンロールの定義はって?それはこの作品を聴いたら分かるかもね。
オアシスの所謂、B面集。インターネットで公募された人気曲で構成されてます。B面集というとイメージが良くないかもしれないけど、この作品は余り物を集めた小銭稼ぎの作品なんかじゃないです。いや、本当は小銭稼ぎのつもりで作ってるのかもしれないけど、内容がめちゃくちゃ良いんです。1作目や2作目の名曲に負けないような名曲がズラリ。ぶっちゃけ『BE
HERE NOW』を買うんだったら、こっちを買うほうがお薦めです。
このライブ盤の何が凄いって客の歓声、合唱。日本ではありえないような歓声、オアシスのライブでしかありえないような合唱。『DON'T
LOOK BACK IN ANGER』の大合唱には鳥肌が立ちまくり。何度、聴いても泣きそうになっちゃう。こんだけ客が熱狂するのは、曲や演奏の持ってるパワーが凄いわけで、やっぱりオアシスは凄いなと思わせるライブ盤です。ただ、これがベストトラックではないよね。曲によってはCDのほうがいいし、昔、怪しい露店で買った初期のブートレッグのライブ盤のほうが抜群にかっこよかったような。リアムの声変わっちゃったなあ。
今作は4曲目『STOP CRYING YOUR HEART OUT』〜5曲目『SONGBIRD』〜6曲目『LITTLE
BY LITTLE』のミディアムバラード・コンボがとにかく秀逸。これで周りをもっと1曲目の『THE
HINDU TIMES』みたいにロックンロールした曲で固めてたら、もっと凄い作品になったと思うんだけどなあ。何はともあれ、前作みたいな新鮮味はあまりなく、「せっかく前作で新しい一面を見せてオアシスまだやるじゃねえかって思ったのにまたこれかよ!」と思うか、「やっぱりオアシスはこれだよ、これ!」と思うか、賛否両論ある作品だと思います。
あと、今作を聴いて一番印象に残ったのはノエルのボーカルの成長っぷり。2曲目のガレージロックな『MUCKY
FINGERS』での歌いっぷりなんてカッコ良すぎて元々メインで歌ってたリアムがかすんで見えるくらい。逆にリアムの作曲能力は凄いことになってきてるし、なんだかんだでやっぱり凄い兄弟だなと。そんでもって珍しくノエルとリアムがデュエットした今作ラストの『LET
THERE BE LOVE』がホント素晴らしい。全体的に見ても、よくまとまってるし音作りもうまい。普通にかっこいいロック作品だと思いますよ。初期2作と比べなければ。
彼らの音を聴いて思い浮かべるのはGET UP KIDS、DEATH
CAB FOR CUTIE、JIMMY EAT WORLDなどのエモ・バンドや、OASIS、LA'S、初期RADIOHEADなどの90年代UKロック・バンド。サウンド的にもそういうエモやUKロックに多大な影響を受けてるんだけど、何よりも印象的なのは上述したバンドに通じるような洗練されたグッドメロディ。どこの国の人もきっと頷くような普遍的なグッドメロディ。全曲英詩で発音も凄く良いし、それらのバンドを好きな外国の人に聴かせてもきっと気に入るんじゃないかなって思う。もう、日本人がこういう音を鳴らしてるから凄い!とか言う次元ではない。ただただ、いいメロディが、いい音楽がここにある。
傑作デビュー作から半年振りとなるオーシャンレーンの3曲入りシングル。ケビンスペイシー制作の映画
「16歳の合衆国」にインスパイアされて作られた1曲目『ALL
YOU MISS』はオーシャンレーンの真骨頂とも言える美メロ炸裂しまくりのエモーショナルなロックナンバー、2曲目の『ANSWER
TO THIS FLOWER』はストリングスも配した泣き全開なオアシス直系のバラード、3曲目は前作収録の名曲『SIGN』のアコースティック・バージョン。
この作品で彼女の歌声のバックを務めるのは、そのイースタンユースから二宮友和(ベース)&田渕ひさ子(ギター)、さらにSUPER BUTTER DOGの池田貴史(キーボード)、中村一義バンド100sの玉田豊夢(ドラム)という日本のロックファンにはたまらない豪華なメンツ。彼らの素晴らしいバンド・アンサンブルと小谷美紗子の素晴らしい歌声。さらに演奏するのはNICO『SOM-EWHERE
THERE'S A FEATHER』、BILL WITHERS『KISSING
MY LOVE』、THE PRETENDERS『I GO TO
SLEEP』、そして、荒井由実『ひこうき雲』など4つの名曲のカバー。もうこれで悪いわけがない。特に荒井由実『ひこうき雲』のカバーは2003年にたくさん登場したカバー作品の中でも最も素晴らしいカバーのひとつで、それと同時に2003年の日本ロック史にも残る名曲だと思う。泣ける。
THE BLUE HERBのトラックメイカー、O.N.Oのソロアルバム。アナログでリリースしていた曲に新たに5曲足した全10曲収録。
基本は、ブルーハーブのトラックと同じで、ダークで硬質なブレイクビーツ。ボーカルやMCは無し。BOSS
THE MCがいない分、ブルーハーブでのトラックより、音が自己主張しています。あと、アルバム全体の世界観は統一されているんだけど、曲それぞれに個性があって飽きない。ブルーハーブのトラックが好きな人には絶対お薦め。ただ、やっぱBOSSのMCが恋しくなる。KRUSH好きな人や、マッシブアタックなんかを好きな人にもお薦めです。
トランシーで気持ち良いトラックに民族っぽい掛け声などが絡むM-1『BE
SURE TO LOOP』、M-2『OIEUMIO』、M-4『AH
YEAH』、M-8『BABYBANBOO
FROM NOSE』、アヴァンギャルドな民族音楽M-3『INA咲くの唄』、M-5『SWITCH
ON』などカッコいい曲がいっぱい。サイケなジャケットもいい。傑作。
M-1『FEVER!』、M-3『ミッション in ポッピプル』、M-4『ヤング8』、M-11『TWISTER』、M-13『キリキリマイ』はありがちなヘヴィロック。どれもそれなりの完成度があって普通にカッコ良かったんだけど、もう少しグルーヴ感が欲しいところ。この中ではM-13『キリキリマイ』がダントツ。後半、何度も何度も同じフレーズを繰り返すんだけど、その中で微妙にコードが変わっていく。もうそれが気持ちいい気持ちいい。ちなみに、この『キリキリマイ』はデビューシングル(『上海ハニー』)の1作前のシングル)だったんだけど、もっとこういう曲をシングルでリリースして欲しいな。
元グラインド・ゼロ、50〜70年代のクールからフリーやサイケデリックに至るジャズを音響系的解釈したNEW
JAZZ QUINTETなど数々の活動で知られる大友良英のNEW
JAZZ ENSEMBLE名義での初のアルバム。
メンバーはNEW JAZZ QUINTETのメンバーにSACHIKO
Mと益子樹を加えた編成。そして、ゲスト・ボーカルで戸川純、PHEWが参加している。全曲が歌ものジャズになっている。フリージャズなアレンジでPHEWが戸川純の曲を歌ったり、戸川純がPHEW(MOST)の曲を歌ったり、JIM
O'ROURKEの『EUREKA』を日本語でカバーしたりしている。特に『EUREKA』のカバーは素晴らしい。16分の大作で後半のエモーショナルなフリージャズがメチャクチャかっこいい。
前作よりも、もっとポップになってます。M-1『YEAH YEAH GO GO』は、ハウスのバーモンドカレーのCMに使われてた曲でめちゃくちゃポップ。あと、「目覚ましテレビ」の占いのコーナーで使われてたM-2『PANDA RIOT』もいい感じ。ピストルズの『ANARCHY IN THE UK』の爽やかで脱力感に満ちたカバーも収録。
『OUR HOUR NOT DEAD』の頃に通じるようなポップチューン。CMに使われたときよりテンポも早くて爽快。トラックもいい感じです。ついついクセになります。カップリングのM-2『HIP
HOP MIX』は、キュートなローファイ・ポップ。CIBO
MATTOをもっとキュートにした感じで、良かった。
M-3『TECHNO MIX』は、モトコンポみたいな80年代風ニューウェーブ・ポップ。M-4『ABCのうた』は、新曲。これまたキュートなニューウェーブ・ポップ。YURIの声が可愛すぎ。M-5は、CMで使われてたバージョン。M-6とM-7はカラオケ。このカラオケを聴くとトラックがしっかりしてることに気付きます。CD-EXTRAでPVも収録。これもポップでいい感じです。