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OASIS

『DEFINITELY MAYBE』
洋楽は聴かないって人でも名前くらいはきっと知ってるでしょう、世界的なロックバンド、オアシスの記念すべきファーストアルバム。これはもう1曲目からヤバイです。初っ端から名盤の予感がひしひしっていうか結論から言っちゃえば名盤です。ロックンロールです。『WONDERWALL』や『DON'T LOOK BACK IN ANGER』しか知らなくてオアシス=演歌みたいなイメージを持ってる人がもしいたら、騙されたと思って聴いてみてください。ロックンロールです。何度もいうけどロックンロールです。ロックンロールの定義はって?それはこの作品を聴いたら分かるかもね。

とりあえず、なんかよく分かんないけど、この作品は心を揺さぶるんです。それが僕にとってのロックンロール。CDの音質は悪いし、決して演奏はうまくない。他と変わったことをやってるわけでもないのに、心が揺さぶられっぱなし。高揚されまくり。バンドの初期衝動って言うの?お金持ちになって演奏もちょっぴりうまくなった今の彼らには出せない魅力がしっかりとパッケージングされます。この時期のこのメンバーでしか作りえなかった名盤。
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OASIS

『MORNING GROLY』

オアシスのセカンド・アルバム。本国イギリスではもちろん、オーストラリアやヨーロッパなどでも1位を取り、アメリカでも大ヒット。90年代最高のロックアルバムと言っても過言じゃない作品だと思います。僕なんて何度聴いたことか。たぶん歌詞を見ないでも全曲歌えます(笑)

この作品は全曲シングルカットの企画があって結局はボツになったみたいだけど、そんな企画が持ち上がったことも全く不思議じゃないくらいの名曲揃い。全ての曲が最高で、その最高の曲たちが最高の順番で並んでます。アップテンポの曲とバラードの割合、リアムのボーカルとノエルのボーカルの割合も絶妙。メロディが良いのはもちろん、この頃はリアムの声がめちゃくちゃ良いんだなあ。小細工なしでベタベタなアレンジなのに、ここまで心に響くのはもう奇跡だね。メロディ、リズム、ギターリフ、歌、アレンジ、どれをとっても素晴らしいギターロック作品。文句なんてひとつもないです。名盤中の名盤。一家に一枚レベルだね。

OASIS

『BE HERE NOW』
オアシスの3作目。ノエルは後に失敗作だったと発言、世間やメディアでも評判の悪いアルバムだけど、一応、日本での売り上げは前作以上だったんだとか。まあ、僕は今作は売れることだけを考えて作った作品だと思ってるし、当時のメディアの持ち上げ方は凄かったしね。それでも、なんだか皮肉だなあ。

個人的にはこの作品はそこそこ好きな曲もあるし、嫌いではないんだけど・・・なんていうか聴くのが疲れるんだよね。メロディやアレンジは前作までのセルフパロディみたいなのに演奏は変にまとまってて、前作までみたいな荒々しさから生まれた高揚感みたいなものがあまり感じられないし、お得意の同じフレーズを延々とリフレインするスタイルをこれでもかと繰り返し、その挙句、総プレイタイムが70分を超えちゃてるんだよね。売れることを考えた結果のセルフパロディが悪い方向に行ってしまってるような印象の作品。曲単体で見たらいい曲もあるし、みんなが言うほど駄作とは思わないけど、前作と前々作が良すぎただけになあ。
OASIS

『THE MASTERPLAN』
オアシスの所謂、B面集。インターネットで公募された人気曲で構成されてます。B面集というとイメージが良くないかもしれないけど、この作品は余り物を集めた小銭稼ぎの作品なんかじゃないです。いや、本当は小銭稼ぎのつもりで作ってるのかもしれないけど、内容がめちゃくちゃ良いんです。1作目や2作目の名曲に負けないような名曲がズラリ。ぶっちゃけ『BE HERE NOW』を買うんだったら、こっちを買うほうがお薦めです。

残念だったのは1作目と2作目の間にリリースされてオリジナルアルバムには収録されてない名曲『WHATEVER』が入ってないところかな。あ、あとCDの裏に曲タイトルが載ってないところ。たまにこういうCDがあるけど、ちょっと曲名を確認したいときにわざわざ歌詞カードを取り出すのって面倒じゃない?まあ、いいや。何はともあれ、オアシスってやっぱりいいバンドだなあって思わせてくれる良編集盤です。
OASIS

『STANDING ON THE SHOULDER OF GIANTS』
オアシスの4作目。とりあえず1曲目のインストがかっこいいです。ズッシリとしたリズムにうねりまくるギター!ツカミは最高。そして2曲目はメロトロンなんかも入って、これまで以上にビートルズ・テイストが出たミディアム・ナンバー。ここまでのヒット曲みたいな派手さはないけど、確実に心に響いてくる名曲です。

3曲目以降はインド音楽っぽい要素やデジタルロックっぽい要素を取り入れたり、メインボーカルのリアムが初めて作曲したりと新しい面も見せつつ、ミディアムテンポ多めでキャッチーすぎるメロディは控えめに地味に展開。所謂、スルメ作品といった感じかな。これまでにはない魅力がある作品だけど、3曲目以降は少しパンチが足りないような気がしないでもないかな。まあ、これはこれで新鮮だし、それなりに良い作品ではあると思うけど、個人的には1曲目の勢いでヘヴィでタフなロックンロール作品を作って欲しかったなあ。
OASIS

『FAMILIAR TO MILLIONS』
オアシスの2000年7月21日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われたライヴの模様を収録した2枚組ライヴアルバム。これまでに発売されたシングルのほとんどが収録されててベスト盤的な側面も。

このライブ盤の何が凄いって客の歓声、合唱。日本ではありえないような歓声、オアシスのライブでしかありえないような合唱。『DON'T LOOK BACK IN ANGER』の大合唱には鳥肌が立ちまくり。何度、聴いても泣きそうになっちゃう。こんだけ客が熱狂するのは、曲や演奏の持ってるパワーが凄いわけで、やっぱりオアシスは凄いなと思わせるライブ盤です。ただ、これがベストトラックではないよね。曲によってはCDのほうがいいし、昔、怪しい露店で買った初期のブートレッグのライブ盤のほうが抜群にかっこよかったような。リアムの声変わっちゃったなあ。
OASIS

『HEATHEN CHEMISTRY』
オアシスの5作目。今作から元ライドのアンディ・ベル、ヘヴィ・ステレオのゲムがメンバーとして正式加入してどうなるかと思ったけど、原点回帰とも言えるシンプルなギターロック作品になってます。全11曲中、リアムが3曲を作曲、アンディとゲムも1曲ずつ作曲。アンディとゲムの曲は別になくても良かったような気がするけどリアム作曲の曲は良いなあ。3作目までの全曲を作ってたノエルにも全然負けてないです。

今作は4曲目『STOP CRYING YOUR HEART OUT』〜5曲目『SONGBIRD』〜6曲目『LITTLE BY LITTLE』のミディアムバラード・コンボがとにかく秀逸。これで周りをもっと1曲目の『THE HINDU TIMES』みたいにロックンロールした曲で固めてたら、もっと凄い作品になったと思うんだけどなあ。何はともあれ、前作みたいな新鮮味はあまりなく、「せっかく前作で新しい一面を見せてオアシスまだやるじゃねえかって思ったのにまたこれかよ!」と思うか、「やっぱりオアシスはこれだよ、これ!」と思うか、賛否両論ある作品だと思います。
OASIS

『DON'T BELIEVE THE TRUTH』
オアシスの6作目。今作は11曲収録してるんだけど、ノエル作曲がついに5曲のみ。アンディが2曲、ゲムが1曲、リアムが3曲を手掛けてます。演奏にもそれぞれのメンバーの個性も出ていて、よりバンドらしい作品になったような印象。アンディの曲もいい感じです。確実に新しいオアシスは見せてくれるけど、初期のノエル色が強い作品=みんなが知ってるオアシス節が薄れた作品にはなってるんで駄目な人は駄目な作品かもしれないね。まあ、新しいオアシスっていっても、まんまフーやラーズ、ヴェルベッツだったりするんだけども。

あと、今作を聴いて一番印象に残ったのはノエルのボーカルの成長っぷり。2曲目のガレージロックな『MUCKY FINGERS』での歌いっぷりなんてカッコ良すぎて元々メインで歌ってたリアムがかすんで見えるくらい。逆にリアムの作曲能力は凄いことになってきてるし、なんだかんだでやっぱり凄い兄弟だなと。そんでもって珍しくノエルとリアムがデュエットした今作ラストの『LET THERE BE LOVE』がホント素晴らしい。全体的に見ても、よくまとまってるし音作りもうまい。普通にかっこいいロック作品だと思いますよ。初期2作と比べなければ。


OCEANLANE

『ON MY WAY BACK HOME』
幼少期をアメリカで過ごしたというHAJIME、イギリス人の父を持つKAYの2人の日本人によるギターロック・バンド、オーシャンレーンの1stフルアルバム。HAJIMEの透き通った歌声と憂いのある極上のメロディ、主旋律とぶつかり合うKAYのメロディアスなギターサウンド、ゲストによるポストロック以降のタイトなリズムの上でHAJIMEの歌メロとKAYのギター・フレーズがぶつかり合って化学反応を起こし、何ともいえない高揚感と爽快感を生み出す。

彼らの音を聴いて思い浮かべるのはGET UP KIDS、DEATH CAB FOR CUTIE、JIMMY EAT WORLDなどのエモ・バンドや、OASIS、LA'S、初期RADIOHEADなどの90年代UKロック・バンド。サウンド的にもそういうエモやUKロックに多大な影響を受けてるんだけど、何よりも印象的なのは上述したバンドに通じるような洗練されたグッドメロディ。どこの国の人もきっと頷くような普遍的なグッドメロディ。全曲英詩で発音も凄く良いし、それらのバンドを好きな外国の人に聴かせてもきっと気に入るんじゃないかなって思う。もう、日本人がこういう音を鳴らしてるから凄い!とか言う次元ではない。ただただ、いいメロディが、いい音楽がここにある。

個人的にはもうちょっとひねくれたアレンジのほうが好きだけど、上述したようなバンドを好きな人はきっと気に入るんじゃないかな。捨て曲なしの傑作。あとは、せっかく日本人なんだから、日本語の曲もちょっと聴いてみたいな。
OCEANLANE

『OUT OF REASON』
傑作デビュー作から半年振りとなるオーシャンレーンの3曲入りシングル。ケビンスペイシー制作の映画 「16歳の合衆国」にインスパイアされて作られた1曲目『ALL YOU MISS』はオーシャンレーンの真骨頂とも言える美メロ炸裂しまくりのエモーショナルなロックナンバー、2曲目の『ANSWER TO THIS FLOWER』はストリングスも配した泣き全開なオアシス直系のバラード、3曲目は前作収録の名曲『SIGN』のアコースティック・バージョン。

もう何と言ってもメロディが良い。透き通るようなボーカルの歌声も良い。ギターの音も素敵。個人的には日本人のバンドには日本語でやって欲しいんだけど、ここまで素晴らしいと全然許せちゃうというか。オーシャンレーンの音は文句の付けようがないです。初回生産限定盤なんでお早めに。
ODANI MISAKO TA-TA

『FEATHER』
シンガーソングライター、小谷美紗子。今作は彼女の新しいバンド名義での作品なんだけど、僕はこの作品を聴くまで彼女の名前は知っていたけど歌声は聞いたことなかった。彼女の歌声の表現力が並じゃない。時には優しく、時には力強く、表情ゆたかで感情ゆたか。表面上だけのエモーショナルではなくて、内から来るエモーショナル。スッと入り込んできてグッと響く歌声。その場の空気を一瞬で変えてしまう力を持っている。イースタンユースや元ナンバーガールの田渕ひさ子が惚れ込むのも納得。

この作品で彼女の歌声のバックを務めるのは、そのイースタンユースから二宮友和(ベース)&田渕ひさ子(ギター)、さらにSUPER BUTTER DOGの池田貴史(キーボード)、中村一義バンド100sの玉田豊夢(ドラム)という日本のロックファンにはたまらない豪華なメンツ。彼らの素晴らしいバンド・アンサンブルと小谷美子の素晴らしい歌声。さらに演奏するのはNICO『SOM-EWHERE THERE'S A FEATHER』、BILL WITHERS『KISSING MY LOVE』、THE PRETENDERS『I GO TO SLEEP』、そして、荒井由実『ひこうき雲』など4つの名曲のカバー。もうこれで悪いわけがない。特に荒井由実『ひこうき雲』のカバーは2003年にたくさん登場したカバー作品の中でも最も素晴らしいカバーのひとつで、それと同時に2003年の日本ロック史にも残る名曲だと思う。泣ける。

ロック好きな人から洋楽好きな人、そしてJ-POP好きな人にも聴いて欲しい
素敵な素敵なカバー作品。4曲じゃ物足りない。もっともっとODANI MISAKO TA-TAの音を聴きたい。
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OE (a.k.a CAPATAIN FUNK)

HERE AND YOU

CAPTAIN FUNK名義で世界的にも有名(FATBOY SLIMのノーマンも絶賛!)なオオエタツヤのOE名義での初アルバム。

サウンドはCAPTAIN FUNK名義でのファンクなダンス・ミュージックとは大きく異なり、アコースティックな響きのエレクトロニカ。音の雰囲気がコーネリアスの『POINT』によく似ている。あと、多くの曲でヴォコーダー処理されたボーカルがフィーチャーされているんだけど、ボーカルは無くても良かったかも・・・

悪くはないんだけど、昔のビックビートの頃のほうが良かったな。

OE

『PHYSICAL FICTION』
OE名義での2作目。前作は非常にポップな内容だったんだけど、今作はポップさのカケラなんて、まるで無し。ただただストイックな、ノイズとサンプリングによる変態音響コラージュ作品。とにかくノイズノイズノイズ!今までの作品は形は違えど、踊れる作品だったけど今作は踊れない。これで踊れたら相当な変態。隠しトラックのみは前作の雰囲気に近いダンストラックだけど、正直これが1番いいって思ってしまった・・・

この人はCAPTAIN FUNK前期でとびっきりファンキーなビッグビート、後期ではちょっとハウスっぽくなったり。そしてOE名義の1作目ではコーネリアス『POINT』的なポップなエレクトロニカ。そして今作は変態音響。リスナーの求めてるものとは、どんどん反対の方向へ向かっているような気がする。まあ、別にリスナーに媚びる必要なんてないんだけど。
この人の作るハッピーなダンス・チューンが好きだったのにな・・・
OGURUSU NORIHIDE

『HUMOUR』
SILICOMの青木孝允、高木正勝とも交流のある、小栗栖憲英の自主制作アルバム『STUDY』と『I』を1枚にまとめてCARPARKからリリースされた作品。

サウンドは高木正勝の『EATING』なんかに通じる、アコギをメインとした暖かい生音系エレクトロニカ。・・・と言っても、基本は生演奏、エレクトロニクスは控えめなんで、アコースティックなインスト作品と言ったほうがいいかも。アブストラクトなエレクトロニカ曲や、パーカッションのみの曲もあるんだけど、この人の場合、アコギとピアノで織り成していく曲がいい。

音数も最小限で、とても優しくて暖かい作品。 
OGURUSU NORIHIDE

『MODERN』
編集盤『HUMOUR』を除くと、初の?フルアルバム。

『HUMOUR』と基本的には変わってなくて、暖かくノスタルジックなアコースティック・インスト作品。イーノ的なアンビエント曲や、エフェクト処理されたピアノ・ソロ曲もあるけど、環境音楽や映画音楽的な曲がメイン。ピアノ、アコギ、アコーディオンなどが柔らかな音色を奏でて、そこにミニマルなビートやパルス音が加わる。

とにかくメロディが凄くいい。曲がシンプルなだけに、そのメロディの良さがダイレクトに響いてきます。春の午後みたいに極めて心地よく、優しい作品。


ON BUTTON DOWN

『ON BUTTON DOWN』
元キャンディ・アイスラッガーのアチャコとスペースカンフーマンのハジメガネによるユニット、ON BUTTON DOWNの1枚目。このユニット、スペースカンフーマンは好きだったし、ニルギリスのリミックス盤でもいい仕事をしてたり、ライブではモンハンのケイタイモさん、SPANGLE CALL LILLI LINEのカバさんなんかがライブ・サポートしたたりしてカナリ前から気になってたんだけど、もっと早く聴いとけば良かった。めちゃくちゃ良いです。

絶妙のバランスで同居するひねくれ感とポップ感。ポストロック〜音響〜プログレ〜ジャズ〜パンク〜ニューウェーブ〜歌謡曲、さまざまな音楽要素を取り入れた奥深く実験性の高い演奏に、透明感に溢れた伸びのある女性ボーカル。幻想的でどこかノスタルジックな詞と優しくも切ないメロディ。もう心をギュギュギュッと締め付けられます。さらに遊び心もいっぱいで飽きさせない。そんな素敵な素敵なポップミュージックが12曲詰まった作品です。オリジナル曲はどれも素晴らしいし、70年代のシンガーソングライター、金延幸子の『貴方から遠くへ』のカバーも絶妙。

SPANGLE CALL LILLI LINE、ODANI MISAKO TA-TA、クラムボン、ニルギリス、BOaTなんかを好きな人はきっと気に入るんじゃないかな。もう僕のツボをつきまくりなポップミュージック集。


ON BUTTON DOWN

『NORDIC FOREST』
オンボタンダウンの2作目。今作はBOAT、NATSUMENのA×S×E(アセ)がプロデュースしてます。個人的には嬉しすぎる組み合わせ。ポストロックやスロウコアに影響を受けたサウンドに叙情的なメロディ、ドラマチックな曲展開、時にはアコースティックに時には轟音に暴れまわる表情豊かなギター、そしてどこまでも澄みきったアチコの歌声。ギターとかアレンジとか、NATSUMENのファースト以上に『RORO』期のBOATに近い作品かも。

BOAT好きな僕にはたまらないなあ。NATSUMENはNATSUMENで好きだけど、NATSUMENのファーストを聴いて物足りなかった部分をこのオンボタンダウンの新作が少し埋めてくれました。前作以上に練りこまれたメロディやアレンジ、アチコの素敵な歌声が普通のポップスじゃ物足りない人の心をギュンギュンと刺激するはず。BOAT、スパングルや空気公団、小谷美紗子あたりを好きな人にお薦めです。1作目のほうも傑作なんで是非是非。
O.N.O

『SIX MONTH AT OUTSIDE STAIRS 』
THE BLUE HERBのトラックメイカー、O.N.Oのソロアルバム。アナログでリリースしていた曲に新たに5曲足した全10曲収録。

基本は、ブルーハーブのトラックと同じで、ダークで硬質なブレイクビーツ。ボーカルやMCは無し。BOSS THE MCがいない分、ブルーハーブでのトラックより、音が自己主張しています。あと、アルバム全体の世界観は統一されているんだけど、曲それぞれに個性があって飽きない。ブルーハーブのトラックが好きな人には絶対お薦め。ただ、やっぱBOSSのMCが恋しくなる。KRUSH好きな人や、マッシブアタックなんかを好きな人にもお薦めです。
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ONTOKO

『ONTOKO』

ゼニゲバのK.K.NULLと山本精一によるユニット、ONTOKOの1stアルバム。リリースはUMMOから。

ミニマルでオリエントな質感の音響作品。さすがに音の構成とかがしっかりしている。メロディの要素はほとんど皆無なんで、ROVOや羅針盤での山本精一を期待して聴くと駄目かも。

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OOIOO

『エイト』

BOREDOMSのYOSHIMI率いる女性4人バンドOOIOOの1stアルバム。プロデュースはEYEと小山田圭吾。

パンクでフリーキーでアヴァンギャルドで、どこか民族的。初期のBOREDOMS的でもある。

個人的なことだけど、昔、毎日行ってた服屋で憧れてた女の店員さんが店でいつも、このアルバムをかけてて、このアルバムにはまった。それからBOREDOMS関連にはまっていった。そういうこともあって思い入れの深いアルバム。

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OOIOO

『FEATHER FROAT』

OOIOOの2ndアルバム。

前作のパンクっぽさはほとんど無くなって、BOREDOMSやROVOやAOAのような生演奏トランス度が大幅に増した。民族っぽい歌やパーカッションも沢山使われていてメチャクチャかっこいい。

トランシーで気持ち良いトラックに民族っぽい掛け声などが絡むM-1『BE SURE TO LOOP』、M-2『OIEUMIO』、M-4『AH YEAH』、M-8『BABYBANBOO FROM NOSE』、アヴァンギャルドな民族音楽M-3『INA咲くの唄』、M-5『SWITCH ON』などカッコいい曲がいっぱい。サイケなジャケットもいい。傑作。

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OOIOO

『GOLD & GREEN』

BOREDOMSのドラマーYOSHIMI率いる無国籍ギャルバンド。DMBQの吉村もメンバー。ゲストとして『MOUNTAIN BOOK』という曲でショーン・レノン(コーラス)と本田ゆか(ぽろりんピアノ)が参加している。

3枚目となる今作は南国の金緑の山中をテーマにしているらしく、聴いていると頭の中にそんな風景が広がる。
土着的で自然的で民族的で、どこか宇宙的。
アンビエントな曲からトランシーな曲まで。深いアルバムに仕上がっている。
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OOIOO

『SHOCKCITY SHOCKERS VOL.2』

OOIOOのZAK、CHARI CHARI、EYE、WOODMAN、MOOCHY、益子樹、和泉希洋志、竹村延和、LKOなどの豪華メンバーが参加したリミックス盤。

ZAKらしい気持ち良い音響のM-1、OOIOOの最新音源のブラジリアン・ヴォイスのカバーM-2、ブラジリアンなCHARI CHARIのM-3、EYEの怒涛のアフリカン・ビートM-4、ただただ美しい益子樹のM-7、和泉希洋志のアッパーなトランス・テクノM-8などが良かった。

OOIOO

『KILA KILA KILA』
OOIOOの4thアルバム。今作より吉村由美など、YOSHIMI以外のメンバーは脱退。
新たにKAYAN、AYA、AIをメンバーに加えての作品です。

前作までに比べると、ポップさとトランスさは減って、即興っぽさが強くなった。どこまでも開放的で自然的。そして原始的。大地を感じさせるような壮大な覚醒音楽。

テルミン、竹笛、風鈴・・・さまざまな楽器、奇妙な声などによって奏でられる唯一無二、不思議な音が脳内を刺激してくれます。全編、凄くYOSHIMIらしい音で、YOSHIMIの音が好きな人は気に入ると思います。
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OPIATE

『WHILE YOU WERE SLEEPING』

BJORKの『VESPERTINE』にも参加して、注目の北欧のエレクトロニカ・アーティスト。

このアルバムは99年から2001年の間にさまざまなレーベルに提供した楽曲をまとめたもの。クリック・サウンドに有機的なメロディが絡んで、ジャケットのような夢心地な音空間を作り出している。『VESPERTINE』のトラックが好きな人は是非。

ジャケットと題名もいいな。

OPIATE

『SOMETIMES』
MORRからリリース。OPIATE名義での2枚目。

OPIATEらしいと言うか、MORRらしいと言うか、暖かくてノスタルジーな生音系エレクトロニカ。
不規則気味のビートに、ピアノやアコギ、そこへグリッチノイズ。そしてフィールドレコーディング。
クオリティが高くて、凄く和めます。
ただ、特に目新しいところはないかな・・・
ORANGE RANGE

『1st CONTACT』
2003年、『上海ハニー』、『ビバ★ロック』、『落陽』の3曲をオリコン・シングル・チャートのベスト10に叩き込んで、ブレイクした沖縄出身の6人組バンド、オレンジレンジのメジャー1stアルバム。上述のシングル3曲を聴いて、僕の中でオレンジレンジは、スキルの低いラップとJ-POP全開なサビによるミクスチャー風アイドルバンドっていうイメージだった。何が「ビバ★ロック」だよ、こんなの全然ロックじゃないよ」なんて思ってた。

だけど、このアルバムを聴いて、そのイメージが少し変わった。上述の3曲を除いたアルバム収録曲にはJ-POPなサビはほとんどない。ここにあるのは意外にも硬派、そして水準以上なミクスチャーロック。図太いヘヴィロックから始まって、ファンク、テクノポップ、レゲエ、沖縄音楽、そして校歌などなど、曲調も幅広く楽しませてくれる。上述の3曲と最後に収録されている彼らの出身校の校歌のパンク風カバー『山内中校歌』以外は僕がイメージしてたよりも、ずっとロックだった。リリックはまだまだ深みがないし、TVの歌番組よりはマシとは言えラップも巧いとは言えないレベルだし、グルーヴ感もまだ少し足りないんだけど、単純に曲とアレンジが良い。凄くいい曲とアレンジがあるのに、それにいまひとつラップや演奏のスキルが追いついてない。

M-1『FEVER!』、M-3『ミッション in ポッピプル』、M-4『ヤング8』、M-11『TWISTER』、M-13『キリキリマイ』はありがちなヘヴィロック。どれもそれなりの完成度があって普通にカッコ良かったんだけど、もう少しグルーヴ感が欲しいところ。この中ではM-13『キリキリマイ』がダントツ。後半、何度も何度も同じフレーズを繰り返すんだけど、その中で微妙にコードが変わっていく。もうそれが気持ちいい気持ちいい。ちなみに、この『キリキリマイ』はデビューシングル(『上海ハニー』)の1作前のシングル)だったんだけど、もっとこういう曲をシングルでリリースして欲しいな。

個人的にベストトラックだったのはM-6『ゆうぐレッド』。公式サイトのプロフィールを見るとメンバーの中で最も幅広い音楽を吸収していると思われるNAOTOが作曲。初期電気グルーヴやYMOに通じるようなテクノポップ感と、ラップやバンドサウンドが絶妙に絡まりあった新鮮な曲。新鮮で面白いだけじゃなく、程よいポップさもあってクセになる。NAOTOはテクノとロックを融合させたようなアルバム唯一のインスト・ナンバーM-15『アンビエンタ』も作ったりしてるんだけど、もっと彼の個性を前に出したら良いバンドになると思うんだけどな。他に良かったのは、これまたテクノポップ感のあるM-5『サムライマニア』と、浮遊感のあるバイオリンの上でラップするM-8『ジャパニーズピープル』。この辺りはシングル曲よりもずっとカッコいい。

なんだか、このアルバムを聴いてると『上海ハニー』、『ビバ★ロック』、『落陽』の3曲はレコード会社の意向であんなアイドルな感じになっちゃったんじゃないだろうかって思う。せっかくアルバムの中で硬派な曲や面白い曲をやってても、あんなシングルばかりリリースしてたら変な偏見を持ってしまう人が多いだろう。僕もアルバムをちゃんと聴くまではそうだった。僕はたまたまアルバムを聴いたけど大半の人はシングルで偏見を持ってしまうと、もうアルバムは聴かない人がほとんどだろう。もし本当にレコード会社の意向でああいうシングルばかりリリースさせられてるんだったら、ちょっとオレンジレンジが可哀想だ。まだまだ課題は多いけど、絶対に才能を持ってる人達なのに。

まあでも、『上海ハニー』、『ビバ★ロック』、『落陽』みたいな曲はレッチリもジェーンズもレイジもビースティーも通ってないようなミクスチャー経験ゼロの若い子たちのそういう音楽への入り口としてはバッチリだと思うし、一概にそれが悪いとは言えないな。シングルを入り口としてアルバムの硬派な曲や面白い曲に触れるのは良いことだと思う。

とりあえず、面白い存在であることは確かなんで、これからも頑張って欲しいな。まだ10代だし、まだまだ伸びるはず。彼らがやろうとしていることにスキルが追いついたときには凄いバンドになってるかも。
ORANGE RANGE

『ロコローション』
オレンジレンジのファースト・アルバム以降、2枚目となるシングル。前シングル『ミチシルベ』はオレンジレンジの駄目な部分を凝縮したような売れ線アイドル歌謡ラップだったけど、今作はなかなか良いんじゃないかな。バカ全開って感じで。タイトルからして「ロコモーション」+「ローション」だよ。オールディーズの名曲『ロコモーション』から、一発屋パンクデュオ、シャンプーの『トラブル』、アメリカ西海岸からオフスプリングの『PRETTY FRY』まで元ネタ丸出しで能天気にゴチャマゼした、お気楽ディスコチューン。ひたすら楽しい。「パンチラ・パンパン」なんていうオバカな女性コーラスも最高。どうせバカやるんだったら、ここまでやらないとね。ビースティーとか聴いた直後に聴くとやっぱ音は安っぽいし、お世辞にもラップがうまいとは言えないけど、楽しけりゃOKと思わせるパワーがこの曲にはある。

カップリングではゴダイゴの名曲『モンキーマジック』をカバー。個人的には原曲は懐かしいで終わらせてしまうだけでは勿体無いファンク歌謡の名曲だと思ってて、遊びでDJをやらせてもらったときはよく廻してたり、とにかく思い入れが強い曲なんだけど、このカバーはちょっと中途半端かな。前奏ではチョッパーのソロを入れたりして原曲のファンクっぽさを強調しようとしてるようにも見えるんだけど、曲全体を見るとファンクっぽさはそれほど感じない。それから三味線を導入して沖縄的な要素を加えてるんだけど、それもちょっと中途半端。どうせならタイトル曲ばりにバカ全開でカバーすれば良かったのにな。

3曲目の『ORANGE BOAT』はカリプソの名曲『バナナ・ボート』が元ネタと思われるカリプソ歌謡。AメロBメロまではいい感じにチルアウトしてて好きなんだけどサビで急にJ-POP全開になるのが個人的にはちょっと。その辺がオレンジレンジの面白さの一つなのかもしれないけどね。

4曲目はオレンジレンジのシングル恒例のRYUKYUDISKOによるリミックス。RYUKYUDISKOは日本最大のテクノ・イベント、WIRE04にも出演が決定してるだけあって本気でテクノしてます。原曲からはコーラスを一部使ってるだけかな。J-POPのリミックスにありがちな歌メロを残してトラックを四つ打ちにしただけという安易なリミックスに終わってないところが良いね。なかなか充実のシングルだよ。
ORANGE RANGE

『musiQ』
このCDの売れない時代に初日ミリオンを達成してしまった化け物アルバム。オレンジレンジのセカンドアルバムです。テクノな小曲で始まったと思えば、『チェスト』みたいなゴリゴリのハードコアがあって、『ロコモーション』みたいな陽気なディスコナンバーや、『ミチシルベ』や『花』みたいな売れ線バラードもあり。その他にも、くるりやスーパーカーやアジカンを思わせるようなポップナンバー、思わず体が動いちゃうようなファンクナンバー、YMOや電気グルーヴの遺伝子を引き継ぐようなテクノ風味のナンバー、そして、一世風靡セピアのヘヴィロック版みたいな曲やポップさ皆無のインチキ民族音楽などなど、非常にバラエティ豊かな19曲を収録。キャッチーなシングルとちょっとマニアックなアルバム曲がうまくバランスが取れてて、ベスト盤的なただの売れ線アルバムには終わってないです。

この様々なアイデアの連続連続、あらゆる音楽のごちゃ混ぜ具合。ヘヴィな演奏にラップを乗っけただけのミクスチャーバンドよりもずっとミクスチャーしてるよ。まあ、どっかで聴いたことあるようなアイデアも多いけど、ここまで雑多な要素をうまくポップにまとめてるのはホントに凄いと思うな。あと、個人的には『ミチシルベ』や『花』みたいな正統派という名の売れ線バラード曲はどうしても好きになれないんだけど、ここまで職業作家的なヌケのいいメロディを書けるのもやっぱりちょっと凄いね。課題は歌唱力。これがあがったらもっと凄いことになっちゃいそう。
ORANGE RANGE

『アスタリスク』
アルバム『musiQ』が記録的なセールスを記録しちゃったオレンジレンジのニューシングル。またしても売れまくってる模様です。ラップとキャッチーな歌サビっていう基本はいつも通り、味付けは『以心伝信』というか、くるりやスーパーカー以降のピコピコギターロック。分かりやすくキャッチーなサビだけ聴くと、やっぱり売れ線な感じなんだけど、後半に突然へヴィロック風→アンビエントという2段階のありえない転調があったりして、ちょっと面白い。まあ、その転調もちょっと無理矢理で不自然な感じはするんだけど、それを敢えて入れちゃってるところがオレンジレンジの個性かなって。個人的には遊び心皆無のヒットチャート的優等生音楽や、個性のカケラもない2番煎じの文学ギターロックバンドなんかより全然楽しいです。有線とかで聴く分にはね。
ORANGE RANGE

『ラブ・パレード』
オレンジレンジの05年第2弾シングル。曲のタイプ的には『ミチシルベ』〜『花』の流れにあるバラードなんだけど、『ミチシルベ』や『花』と比べると露骨な売れ線アレンジではない分、少し地味な印象かな。アレンジやギターの雰囲気がちょっとレディオヘッドの初期の名曲『CREEP』っぽいです。無難な歌詞と分かりやすいメロディの歌謡曲を『CREEP』風にやってみました。今っぽくラップを入れてみました。そんな感じの曲です。『花』ほどではないだろうけど、固定ファンのパワーやタイアップも手伝って、今作も売れるんだろうなあ。

カップリングの『沖葉原イナーO-721』はタイトルはオバカな感じだけど、曲自体は真面目なテクノ・ナンバー。神秘的なエレクトロ・トラックに美しい女性コーラスが入って、ちょっと電気グルーヴの名曲『虹』を思わせるような仕上がりになってるんだけど、これがなかなか良いんだな。琉球ディスコやスーパーカーとか好きな人にもお薦めです。ただ、バンド演奏は皆無だし、オレンジレンジのラップも少し入ってるけど、エフェクトもかかってるし、ほとんど聴こえない。どちらかというと女の人の声のほうがメインだったりして、これをオレンジレンジ名義でやってるのは、なんかちょっと疑問だなあ。まあでも、『ラブ・パレード』みたいなカラオケの定番になりうる曲もやりつつ、こういうマニアックな曲もしっかりやってしまう姿勢には好感が持てるね。
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OTOMO YOSHIHIDE'S

NEW JAZZ ENSEMBLE

『DREAMS』

元グラインド・ゼロ、50〜70年代のクールからフリーやサイケデリックに至るジャズを音響系的解釈したNEW JAZZ QUINTETなど数々の活動で知られる大友良英のNEW JAZZ ENSEMBLE名義での初のアルバム。

メンバーはNEW JAZZ QUINTETのメンバーにSACHIKO Mと益子樹を加えた編成。そして、ゲスト・ボーカルで戸川純、PHEWが参加している。全曲が歌ものジャズになっている。フリージャズなアレンジでPHEWが戸川純の曲を歌ったり、戸川純がPHEW(MOST)の曲を歌ったり、JIM O'ROURKEの『EUREKA』を日本語でカバーしたりしている。特に『EUREKA』のカバーは素晴らしい。16分の大作で後半のエモーショナルなフリージャズがメチャクチャかっこいい。

PHEWや戸川純の好きな人にもフリージャズ好きな人にもオススメなアルバム。

OTOMO YOSHIHIDE'S NEW JAZZ QUINTET

『FLUTTER』
大友良英(g),菊地成孔(sax)、津上研太(sax)、水谷浩章(b)、芳垣安洋(ds,tp)というメンバーで構成されたONJQの1stアルバム。
60〜70年代のフリージャズを音響的な切り口で再解釈した作品。

個人的にはNEW JAZZ ENSEMBLEやGROUND ZEROのほうが好きかも。
OTOMO YOSHIHIDE'S NEW JAZZ QUINTET + OE

『ONJQ + OE』
大友良英率いるニュー・ジャズ・クインテットのスタジオ録音としては2枚目のアルバム。
今作は第6のメンバーとしてOE(a.k.a. CAPTAIN FUNK)こと大江達也を迎えた作品。
クールでアブストラクトなフリージャズ作品。
OEのコラージュ、電子音がいい感じにONJQのサウンドにマッチしてます。
相変わらずカッコいい。
OUR HOUR

『LOOP POOL』
OUR HOURの2ndアルバム。

ピチカート5なんかに通じるようなキュートなエレポップ。ちょっとエキゾチックでチープなトラックに、キュートなロリータ・ボーカル。

60年代のサンプリング音のみで構成された(らしい)作品。1曲あたり100サンプル以上で作られてるらしいです。サウンドは違うけど同じような方法をとったAVALANCHESより、こっちのほうが先。サンプリングだらけで作られてるとは思えないくらい、ちゃんとしたポップ・ソングになってます。

NENAの『ロックバルーンは99』のキュートなカバーも収録。ひねくれた方法論で作られた普遍のポップソング集。
OUR HOUR

『OUR HOUR NOT DEAD』
メジャーリリースとなった、OUR HOURの3rdアルバム。

前作よりも、もっとポップになってます。M-1『YEAH YEAH GO GO』は、ハウスのバーモンドカレーのCMに使われてた曲でめちゃくちゃポップ。あと、「目覚ましテレビ」の占いのコーナーで使われてたM-2『PANDA RIOT』もいい感じ。ピストルズの『ANARCHY IN THE UK』の爽やかで脱力感に満ちたカバーも収録。

全体的にサンプルの使い方が絶妙。良質のポップ・アルバム・・・と思いきや、ボアダムスのEYEちゃんによる原曲無視のノイジーなリミックスや、サワサキ・ヨシヒロのドラムンベース・リミックス、あとMOODMANのリミックスも収録。楽しい作品。
OUR HOUR

『MOSCOW BLUES MONSTER』
OUR HOURの4thアルバム。今作は今までのOUR HOURの特徴だったサンプリングを廃して、「ノイズとムーグによる、ヤードバーズ」をコンセプトに作られた、全39曲、20分の作品。

前作までの歌物路線とは、打って変わってノイジーで実験的な作品。数曲の歌物以外は、数秒の音響作品。あと何気に、サイコババの吉田さんがシタールで参加したりしてます。歌物はノイジーでロックなトラックに、キュートなボーカルが不思議とマッチしています。全体的にノイジーで実験的なんだけど、凄くポップ。音響ロリータ・エレ・パンクって感じ。かっこいい。
OUR HOUR

『NOVAうさぎのうた』
ブームにもなったNOVAのCMのテーマソング。「いっぱい聞けて、いっぱいしゃべれる♪」ってやつ。

『OUR HOUR NOT DEAD』の頃に通じるようなポップチューン。CMに使われたときよりテンポも早くて爽快。トラックもいい感じです。ついついクセになります。カップリングのM-2『HIP HOP MIX』は、キュートなローファイ・ポップ。CIBO MATTOをもっとキュートにした感じで、良かった。
M-3『TECHNO MIX』は、モトコンポみたいな80年代風ニューウェーブ・ポップ。
M-4『ABCのうた』は、新曲。これまたキュートなニューウェーブ・ポップ。YURIの声が可愛すぎ。M-5は、CMで使われてたバージョン。M-6とM-7はカラオケ。このカラオケを聴くとトラックがしっかりしてることに気付きます。CD-EXTRAでPVも収録。これもポップでいい感じです。

企画盤はダメなことが多いと思うんだけど、これはなかなか良かった。
OUT HUD

『STREET DAD』
KRANKYからリリースのポストロック。

シカゴ音響派のようなポストロックとは違って、ダンサブル。
ポスト・パンクやヒップホップ、ニューウェーブ、ダブ、アシッドハウスなどを吸収したインストでカナリかっこいいです。
今までにあったようで無かった音だと思います。
ROVOとFRICTIONが合わさったようなサウンド。
癖になるアルバムです。


OUTKAST

『SPEAKERBOXXX
/THE LOVE BELOW』
グラミー賞受賞ラップ・デュオ、OUTKASTの5作目となるアルバム。今作はメンバーのビッグボーイとアンドレ、それぞれが主導権を握るディスクが2枚。内容に特に繋がるところもないし、ジャケットも半分半分で全然違うし、それぞれのソロ作をセットでOUTKAST名義でリリースって感じかな。ずーっと昔にユニコーンが同じようなことしてたな。全くOUTKASTとは違うサウンドだけど。

まず、アンドレの方の作品、『THE LOVE BELOW』。こちらはファンクやソウルやジャズなど既存の音楽の要素を取り入れながらも、それを全く新しい組み立て方で独自のヒップホップ・サウンドを作り出している。いや、彼はほとんどの曲でラップではなく歌ってるし、もうこれはヒップホップでもないかもしれない。ファンク、ソウル、ジャズからスタートしてヒップホップを通過した“ANDRE 3000”という音楽。プリンスを彷彿とさせるような密室ファンクから甘〜いバラード、アンビエント、ジャジーなドラムンベース・・・様々なサウンドを展開しているけど不思議と一貫性があって、すべてが“ANDRE 3000”としか言いようのないサウンドになってます。ビックバンドをフィーチャーした不思議なジャズバーM-2『LOVE HATER』、宇宙に旅立つようなファンク・ナンバーM-4『HAPPY VALENTINES DAY』、PREFUSE73も真っ青なエレクトロニカ・ジャズ・ヒップホップM-5『SPREAD』、BECKの『SEX LAWSS』に取って代わるフロア・キラーなダンスポップ・ナンバーM-9『HEY YA』、ハウス経由の良質R&BナンバーM-10『ROSES』、エレクトロニカを通過したソウル・バラードM-15『SHES ALIVE』、ロニ・サイズが遊園地に迷い込んだようなジャジーなドラムンベースM-17『MY FAVORITE THINGS』、ノラ・ジョーンズをフィーチャーしたアシッド・フォーク・ナンバーM-18『TAKE OFF YOUR COOL』などなど素晴らしい曲だらけ。これはもうBECKの『ODELAY』も超える衝撃。

一方、ビッグボーイの作品SPEAKERBOXXXは、多少実験的な部分があるものの、アンドレの方と比べるとかなりヒップホップマナーに忠実なサウンド。ファンク・ヒップホップの良作だ。これはこれで良いんだけど、アンドレと比べると面白みが足りない。普通のヒップホップ・ファンにはこっちのほうがいいかもしれないけどね。JAYZをフィーチャーした曲とかもあるし。個人的には最もビッグボーイらしくないM-2『GHETTOMUSICK』がダントツで良かった。マイアミベースを思わせるようなシンセと超高速ビートに軽快なライミング。そして予測不可能な曲展開。もう笑っちゃうくらいにかっこいい。

こうして、それぞれの作品を聴くと2人はホント両極端なんだなって分かる。ぶっとんだアンドレと普遍的なビッグボーイ。どっちが欠けてもOUTKASTのサウンドは生まれない。この作品でそれぞれの極性をさらに伸ばした彼らの次の作品が待ち遠しい。それと同時にアンドレのソロがもっと聴いてみたいな。とりあえずヒップホップが好きなら、この作品は聴いておいたほうがいいと思う。そしてロック好きな人にも是非聴いてもらいたい作品。ホント大傑作だから。

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